2021年11月27日
Orchestra Mµsicart の芸術監督のインタビュー後編です。
音楽と映像のシンクロとは
音楽と映像果たしてぴったり合わせることはできるのでしょうか。
-結論から言うとできます。音楽と映像を合わせるには2つの方法があり、音楽を映像に合わせるか、映像を音楽に合わせるかのどちらかです。今回私たちは、両者の方法をハイブリッドしたのですが、《死の舞踏》に関しては、前者の音楽を映像に合わせるという手法を取りました。《死の舞踏》に関してはYoutube に動画を公開しているので、是非チェックしてみてください。
音楽と映像を合わせるのは大変だったのでしょうか。
-本当に大変でした(笑)指揮者はテンポがズレないようにクリック音というもの(メトロノームのようなもの)を聴きながら、オーケストラの指揮をするのですが、これが演奏と合わないんです。音楽はテンポがある程度決まっていても、実際はある程度テンポの揺れが生じています。それによって大きくズレてしまうと映像に合わなくなるため、オーケストラのコントロールをしなければいけないのです。
当日はうまくいったのでしょうか。
-Youtubeの動画を見ていただければ分かるように、大きなズレはないように見えると思います。しかし、実際は違いました。
まさか……
-そうです。本番だけ、開始早々にズレました。もう、心臓が止まるかと思いました。あっ、これどうしようって。
どうやって切り抜けたのですか。
-当日、ズレる可能性があることに関しては、演出チームの中で問題としてあがったため、動画を分割して復活できるポイントを作りました。それによって、万が一ズレても最後には修復ができるようにしました。保険だったので、あまり使いたくはなかったのですが。
危ない橋でしたね。
-そういうことも含めて実験的な要素はあると思います。今回、映像に関してのトラブルなどはなく無事お届けできたことは、当たり前かもしれませんが、凄く大切なことだと思っています。
演奏だけでなく、それ以外にもこだわった点などはあるのでしょうか。
-今回、チューニングにもこだわりました。コンサートのチューニングって個人的にはすごく好きで。
もうすぐ始まるワクワク感みたいなものでしょうか。
-そうですね。特に舞台のチューニングは凄くワクワクします。また、LIVEに行ったりもするので、そういった始まりの演出に関しては凄く大切にしたいという思い入れがあります。今回は《死の舞踏》を含めて、チューニングから一貫したオープニングだと考え、その繋がりを意識しました。
少しずつコンサートに没入していく感覚を映像で表現したいという依頼をし、映像が死の舞踏の最後に繋がるように仕掛けました。死の舞踏が終わるところで、このコンサートタイトルが来るように設定し、チューニングから一つのオープニングを演出した形になります。
そういった演出はどのように思いつくのですか。
-こんなことがあったら面白いかな、という日常で思いついたことを形にできるかというところから始まります。大体は今まであったことのちょっと先を目指しています。何か革新的なことというよりも今までこういうのがあったけど、こうしてみたら面白いのでは、といったところが原点です。後は、他の人からの意見で形にしていくことが多いです。自分一人のアイデアでは、うまくいかないことの方が多いので。今回は演出チームに全部助けられたのが実際です。
次回以降のコンサートに関して
次回以降はどのようなコンサートを予定しているのでしょうか。
-今回、コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年5月9日に予定していたコンサートは延期という形にさせていただきましたが、必ずこちらのコンサートはお届けしたいと思っています。(2021年11月現在、本プロジェクトは一時中止)
改めて2021年11月現在、どのようなコンサートを予定しているのでしょうか。
-現在、一時中止となった第2回公演に代わって、Project 2.0+ Bon Voyage! という企画の制作を行なっております。こちらに関しては、改めてお伝えできればと思っています。
依然として新型コロナウイルスの影響はありますが、皆様に安心して楽しんで頂けるよう準備を進めております。皆様にホールでお会いできる日を楽しみにしております。